プレスリリース
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令和6年度 初夏展
殿さまのスケッチブック
Early Summer Exhibition
Natural History Studies by the Hosokawa Lords
永青文庫(東京都文京区目白台1-1-1)にて、初夏展「殿さまのスケッチブック」を2024年4月27日(土)より6月23日(日)まで開催いたします。日本の博物学は、中国の薬学・博物学である「本草学」の影響を受けて発達し、18世紀には「博物趣味」に熱中する大名が多く現れました。その先駆けの一人が細川家熊本藩6代藩主の重賢(しげかた、1720~85)です。博物図譜に掲載された多様なスケッチは驚くほど細かく描き込まれており、自然に対するひたむきな情熱と好奇心が感じられます。細川家の殿さまが見た「リアル」が写された「殿さまのスケッチブック」をご覧ください。
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展覧会概要
日本の博物学は、中国の薬学・博物学である「本草学」の影響を受けて発達し、18世紀には「博物趣味」に熱中する大名が多く現れました。その先駆けの一人が細川家熊本藩6代藩主の重賢(しげかた、1720~85)です。重賢は、熊本藩の藩政改革や産業奨励、藩校時習館、医学校再春館、薬草園蕃滋園の設立などを行って「肥後の鳳凰」と称される一方、動物、昆虫、植物などに強い関心を示しました。参勤交代の途次では植物採集にいそしみ、精緻な博物図譜を作らせています。図譜に掲載された多様なスケッチは驚くほど細かく描き込まれており、自然に対するひたむきな情熱と好奇心が感じられます。
永青文庫では1991年に「殿様の博物学」展を開催し、所蔵する図譜を多く公開しましたが、本展はそれ以来33年ぶりとなります。細川家の殿さまが見た「リアル」が写された「殿さまのスケッチブック」をご覧ください。
細川家熊本藩6代藩主の細川重賢は、4代藩主宣紀(のぶのり)の5男として江戸に生まれました。延享4年(1747)に藩主となりますが、熊本藩の財政は窮乏しており、藩政改革を進めることになります。重賢は自ら粗衣粗食を率先し、税制や刑法を改正し、行政機構を見直し、産業を奨励しました。そのような藩政で名君と称えられる一方、博物学に没頭し、多くの博物図譜を作らせました。
(画像)竹原玄路筆、谷口鶏口賛「細川重賢像」江戸時代(18世紀)永青文庫蔵
博物図譜とは
博物趣味の大名の先駆けとなったのが、熊本藩の細川重賢と高松藩の松平頼恭(よりたか、1711〜71)です。重賢と頼恭は、採集・飼育した動植物を彩色で写生し、その情報をメモした「博物図譜」作りに熱中しました。博物趣味の大名たちは写生図の貸し借りを行い、お互いに写しを作ることも行いました。大名たちの作った博物図譜は、各地の博物館などにも残されています。
「毛介綺煥(もうかいきかん)」
「毛・介」の文字には動物・貝類、「綺・煥」にはうつくしい・光かがやくさま、という意味があります。哺乳類や爬虫類、魚類などの様々な動物が、名称、年月日、場所とともに記録されています。インパクトのあるアサヒガニの描写が有名で、書籍などでも多く紹介されてきました。絶滅したといわれるニホンオオカミには、宝暦8年(1758)の年記とともに、胴や顔、足の長さが記録されていることも貴重です。
「昆虫胥化図(こんちゅうしょかず)」
昆虫が幼虫から蛹になり、羽化して成虫になる様子を、日付とともに緻密に描いた日本初の昆虫生態記録です。幼虫の食べる草も合わせて描かれており、種を判定する重要な情報になっています。虫かごの網が描かれている図もあり、重賢が飼育・観察させていたと考えられます。
展覧会の見どころ
1.33年ぶり!永青文庫の所蔵する博物図譜の全容を大公開
永青文庫の博物図譜は、熊本大学附属図書館や熊本県立美術館などで度々紹介されてきました。永青文庫では1991年の「殿様の博物学」展以来、33年ぶりに全20件の博物図譜を展示します。
2.迫真の描写の「毛介綺煥(もうかいきかん)」全場面を一挙に展示
特に有名な「アサヒガニ」「ニホンオオカミ」の図を含む裏面は前期、「ヤマネ」「アナグマ」の図を含む表面は後期に全場面を広げて展示します。哺乳類や魚介類など様々な図を通覧できる初めての機会です。
3.展覧会場では実物の動植物の写真も紹介
図譜の描写と比較して見ることができます。
『季刊永青文庫』
展覧会開催に合わせて発行する『季刊永青文庫』124号では、「毛介綺煥」「昆虫胥化図」を留め書き(図に書き込まれた文字情報)とともに初めて全場面を掲載します。また、自然科学から見た永青文庫の博物図譜を清水稔氏(熊本博物館学芸員)に解説していただきます。その他、永青文庫の設立者・細川護立が購入したフランスの東洋学者アンリ・コルディエの蔵書(東洋文庫寄託)の魅力を紹介する「Flâneur」、小松大秀館長による「館長のひとりごと」など、好評の連載を掲載します。
カラー32ページ、800円(税込)
開催概要
会期 |
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会場 | 永青文庫 |
住所 | 112-0015 東京都文京区目白台1-1-1 Google Map |
時間 |
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休館日 |
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入館料 |
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TEL | 03-3941-0850 |
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主催 | 永青文庫 |
特別協力 | 熊本大学附属図書館、熊本大学薬学部薬用植物園、熊本県立美術館、熊本博物館、ホテル椿山荘東京 |
交通案内 《バス》JR目白駅(「目白駅前」バス停)・副都心線雑司が谷駅 出口3(「鬼子母神前」バス停)より、都営バス「白61 新宿駅西口」行きにて「目白台三丁目」下車徒歩5分 《都電》都電荒川線早稲田駅より徒歩10分 《地下鉄》有楽町線江戸川橋駅(出口1a)より徒歩15分/東西線早稲田駅(出口3a)より徒歩15分 《ドコモ・バイクシェア》E2-14. 永青文庫 |
永青文庫とは
施設画像ダウンロードはこちらから
文京区立 肥後細川庭園
永青文庫に隣接する肥後細川庭園は、熊本藩主細川家の下屋敷跡で、目白台の自然景観や湧き水を活かした池泉回遊式庭園です。庭園内の「松聲閣」は細川家の学問所と伝えられる建物で、一時期は細川家の住まいとして使用されました。
https://www.higo-hosokawa.jp/
広報用画像一覧
- 竹原玄路筆、谷口鶏口賛「細川重賢像」江戸時代(18世紀)永青文庫蔵
- 「毛介綺煥(もうかいきかん)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 前期展示
- 「毛介綺煥(もうかいきかん)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 前期展示
- 「毛介綺煥(もうかいきかん)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 前期展示
- 「毛介綺煥(もうかいきかん)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 後期展示
- 「毛介綺煥(もうかいきかん)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 後期展示
- 「昆虫胥化図(こんちゅうしょかず)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 前期展示
- 「昆虫胥化図(こんちゅうしょかず)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 後期展示
- 「虫類生写(ちゅうるいいきうつし)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵
- 「百卉侔状(ひゃっきぼうじょう)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵
- 「艸木生(そうもくいき)うつし」(部分)奥書:宝暦11年(1761)永青文庫蔵 後期展示
- 「艸木生写(そうもくいきうつし)」(部分)奥書:宝暦12年(1762)永青文庫蔵 後期展示
- 「群禽之図(ぐんきんのず)」(部分)江戸時代(18世紀)永青文庫蔵
- 「群芳帖(ぐんぽうじょう)」(部分)江戸時代(19世紀)永青文庫蔵
- 永青文庫 令和6年度初夏展「殿さまのスケッチブック」ちらし表
会員向けご提供広報用データ
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