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横山美術館名品展
明治・大正の輸出陶磁器
技巧から意匠へ

開催期間会期
※掲載申込み受付終了

平塚市美術館(神奈川県平塚市西八幡1-3-3)にて、「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」を2023年10月7日(土)より11月26日(日)まで開催いたします。輸出陶磁器の全盛期である明治時代前半に海外へ輸出された、技巧を凝らした陶磁器の里帰り品をはじめ、明治30年代以降のアール・ヌーヴォー、アール・デコに代表される新しい意匠を取り入れた横山美術館の名品約130点を紹介。

宮川香山(初代) 高浮彫薔薇鳩花瓶、明治時代前期~中期(19世紀後半)、各 24.5×22.8㎝、横山美術館蔵

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展覧会概要

このたび、平塚市美術館では「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」を開催いたします。明治時代には、政府が推進する殖産興業、輸出振興政策により、日本の陶磁器が欧米を中心に積極的に輸出されました。その背景には、19世紀後半から欧米でたびたび開催された万国博覧会において日本の陶磁器が高い評価を得ていたことが挙げられます。

欧米の人々の好みにあうよう制作された東洋的なモチーフと精緻な技巧による絢爛豪華な陶磁器は、ジャポニスムの気運を高めるとともに欧米のやきものと相互に影響しあいながら、後のアール・ヌーヴォー、アール・デコへと展開する端緒となりました。

神奈川県内でも、1859 年の横浜開港により、従来窯がなかった横浜で陶器生産がはじまり、京都から移り住んだ宮川香山(みやがわこうざん、1842-1916)が真葛焼(まくずやき)を試みて好評を博しました。香山の技巧を凝らした陶器からは、全力を尽くして世界に挑戦していた明治の陶工の気概が見て取れます。ほかにも素地を産地から取り寄せて横浜で上絵付を施す工場が多数でき、輸出港ならではの賑わいをみせました。

本展は、輸出陶磁器の全盛期である明治時代前半に海外へ輸出された日本各地の陶磁器の里帰り品を皮切りに、明治30年代以降のアール・ヌーヴォー、アール・デコに代表される新しい意匠(デザイン)を取り入れた作品を、公益財団法人 横山美術館の名品約130点によりご紹介するものです。

公益財団法人 横山美術館について
公益財団法人横山美術館は、株式会社プロトコーポレーション代表取締役会長・横山博一氏が収集した約3,000点におよぶ明治・大正期に制作された優れた陶磁器の里帰り品を後世に残し、世に広く伝えるため、2017年に名古屋市東区に開館しました。明治・大正期に日本から海外に輸出された陶磁器は、その卓越した技巧と斬新なデザインが注目され、近年、大きな脚光を浴びていますが、国内の現存数は限られています。日本では目にする機会の少なかった輸出陶磁器を里帰りさせるべく収集された横山美術館のコレクションは、近代日本における陶磁器の主要産地、代表的な窯屋、作家を網羅しており、近代陶磁史の研究に大きく資するものです。

見どころ
1. 超絶技巧の輸出陶器
水辺の岩場に潜む亀(A)、薔薇の茎にとまる鳩(B)。胴部分に施された丸彫りに近い亀や岩、鳩や薔薇といった大胆な彫刻的意匠と上絵付による絵画的意匠があいまったそのデザインの奇抜さは鑑賞者を驚かせます。初代宮川香山による技巧の粋を尽くしたこれらの作品群は、真葛焼と呼ばれ、横浜港から欧米に向けて輸出されて高い評価を得ました。

2. 貴重な里帰り品の数々
明治、大正時代に日本で制作された陶磁器は、明治政府が推進する殖産興業・輸出振興政策により多くが欧米を中心に輸出されました。東洋的なモチーフをあしらい、技巧を凝らした作品は、海外で高い評価を得てコレクションされたために、これまで日本で目にする機会が限られていました。本展で紹介するのは、当時輸出された陶磁器を積極的に収集し、里帰りさせている横山美術館の名品です。

3. 意匠(デザイン)の魅力
薔薇の枝が把手を形作り、それが器体にまで伸びて鳥が羽根を休めています(C)。あるいは、葡萄と葡萄の葉の曲線を巧みに利用した花瓶(D)。日本の陶磁器は、明治30年代(20世紀初頭)のアール・ヌーヴォー、アール・デコに代表される新しい意匠(デザイン)を取り入れ、魅力的な作品を次々生み出しました。


  • 画像説明【部分図】水辺の岩場に潜む亀(A)
    宮川香山(初代) 高浮彫河骨亀翡翠花瓶(部分)、明治時代前期(19世紀後半)、30.2×23.2㎝、横山美術館蔵

  • 画像説明【部分図】薔薇の茎にとまる鳩(B)
    宮川香山(初代) 高浮彫薔薇鳩花瓶(部分)、明治時代前期~中期(19世紀後半)、各 24.5×22.8㎝、横山美術館蔵

  • 画像説明【部分図】羽根を休めている鳥(C)
    金盛花鳥図水差(オールドノリタケ)(部分)、明治24~44(1891~1911)年、22.0×18.4㎝、横山美術館蔵

  • 画像説明【部分図】葡萄と葡萄の葉の曲線を巧みに利用した花瓶(D)
    諏訪蘇山(初代) 釉下彩透彫葡萄図花瓶(部分)、明治42(1909)年頃、48.0×31.8㎝、横山美術館蔵

開催概要

会期
2023年10月7日(土)〜2023年11月26日(日)
会場 平塚市美術館
住所 254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3 Google Map
時間
9:30〜17:00(最終入場時間 16:30)
休館日
月曜日(ただし、10 月 9 日は開館)、10 月 10 日(火)
観覧料
一般 900(720)円、高大生 500(400)円
※(  )内は団体料金
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添 1 名は無料
※65 歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金
TEL 0463-35-2111
URL
【平塚市美術館 公式サイト】
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/
SNS
主催 平塚市美術館
協賛 神奈川中央交通株式会社
特別協力 公益財団法人 横山美術館
交通JR東京駅から東海道線または新宿駅から湘南新宿ライン(直通)で約1時間。JR 平塚駅東改札口(北口)より神奈川中央交通バス 4 番乗り場乗車「美術館入口」(徒歩1分)または「コンフォール平塚前」(徒歩5分)下車。平塚駅より徒歩20分。駐車場67台(美術館御利用の場合 90 分間無料、要認証)。
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関連事業

ギャラリートーク
(1)日時:10月8日(日)14:00-14:40
講師:原久仁子氏(横山美術館学芸員)
(2)日時:10月21日(土)、11月4日(土)各14:00-14:40
講師:当館学芸員
展示室Ⅱ(申込不要、要観覧券)

同時開催
新収蔵品展 特集展示:藤田嗣治の初期作品
会期:9 月 23 日 ( 土 ) ~ 2024 年 2 月 18 日 ( 日 )
https://www.artpr.jp/hiratsuka-art/newacquisitions2023

広報用画像一覧

  • 画像説明鼠南瓜胡瓜置物、明治時代前期~中期(19世紀後半)、26.0×25.0㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明宮川香山(初代) 高浮彫河骨亀翡翠花瓶、明治時代前期(19世紀後半)、30.2×23.2㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明宮川香山(初代) 高浮彫河骨亀翡翠花瓶(部分)、明治時代前期(19世紀後半)、30.2×23.2㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明宮川香山(初代) 高浮彫薔薇鳩花瓶、明治時代前期~中期(19世紀後半)、各 24.5×22.8㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明宮川香山(初代) 高浮彫薔薇鳩花瓶(部分)、明治時代前期~中期(19世紀後半)、各 24.5×22.8㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明金盛花鳥図水差(オールドノリタケ)、明治 24~44(1891~1911)年、22.0×18.4㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明金盛花鳥図水差(オールドノリタケ)(部分)、明治 24~44(1891~1911)年、22.0×18.4㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明諏訪蘇山(初代) 釉下彩透彫葡萄図花瓶、明治42(1909)年頃、48.0×31.8㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明諏訪蘇山(初代) 釉下彩透彫葡萄図花瓶(部分)、明治42(1909)年頃、48.0×31.8㎝、横山美術館蔵
  • 画像説明横山美術館 外観

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