プレスリリース
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上田薫とリアルな絵画
茨城県近代美術館(水戸市千波町東久保666-1)にて「上田薫とリアルな絵画」を2021年10月26日(火)より2021年12月12日(日)まで開催いたします。上田薫(1928~ )は、日本におけるスーパーリアリズムの第一人者であり、割れたなま玉子の殻から中身が落ちる瞬間を描いた絵画で広く知られる画家です。ほかにも上田はシャボン玉、水の流れといった身近なものの見せる一瞬の姿をリアルに表現する作品で評価されてきました。本展では、半世紀にわたる上田の仕事を代表的なシリーズによって振り返るとともに、現代の作家たちによる作品をあわせて展示することにより、リアルをめぐる豊かな絵画表現の世界を紹介します。
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展覧会概要
上田薫(1928~ )は、日本におけるスーパーリアリズムの第一人者として広く知られる画家です。1970年代に発表した「なま玉子」シリーズをはじめ、スプーンですくいとられたアイスクリームや、シャボン玉、水の流れといった、身近なものの一瞬の姿をとらえてリアルに表現する作品によって、高く評価されてきました。上田は、写真を利用して対象をクローズアップで描くことにより、肉眼による認識をはるかに凌ぐ視覚世界を現出させます。そしてその作品は、見る者の知覚に揺さぶりをかけ、リアルをめぐる思索へと私たちを誘うのです。また上田は、1985~93年にかけて茨城大学教授を務め、茨城を制作拠点とした本県ゆかりの画家でもあります。
本展では、上田の仕事を代表的なシリーズによって振り返るとともに、現代の作家によるリアルな絵画表現をあわせて紹介します。光がものを照らし出す複雑な様相や、人物表現における精神性や同時代性、見る者の意表を突くふしぎな世界など、彼らは各々の関心に基づいて、独自のリアリティを追究しています。半世紀を超える上田の表現の軌跡をたどることは、現代のアートシーンで隆盛する様々な作家たちのリアルな表現について考える上でも、重要な意味を持つことでしょう。多彩な作品を通して、「リアル」をめぐる豊かな絵画表現の世界をお楽しみください。
出品作家・作品数
作品数:56点(うち上田薫は35点)
出品作家:上田薫
三尾公三、金昌烈(キム・チャンヨル)
高松次郎、野田弘志、石井精一、木下晋
柳田昭、片小田栄治、磯江毅、大畑稔浩
伊庭靖子、田邉光則、諏訪敦、橋爪彩(さい)
山本大貴(ひろき)、横山奈美、松川朋奈
橋本大輔(生年順)
全19名
展覧会構成と見どころ
序章:上田薫―玉子にみるリアル
まず会場で目に入るのは、上田薫の「玉子」シリーズです。殻から落ちるなま玉子に加えて、スプーンですくい取られたり、フライドエッグになったりと玉子の見せる様々な姿が、大画面にクローズアップで描かれます。身近にあるものの一瞬の姿をリアルに描くという上田芸術のエッセンスが凝縮された「玉子」は、私たちの目を惹きつけてやみません。
1章:いろんなリアル
対象を本物そっくりに描くリアルな絵画は、迫真的な表現を共通項としつつも、モチーフの選択や構成あるいは演出に画家の独自性が表われます。1章では、現代の画家たちによる多様なリアルの世界を紹介します。
果物が散らばるテーブルと、そこにのっている女性たちが描かれた橋爪彩の「Girls Start the Riot」は、西洋絵画の静物画などの伝統を踏まえつつ、謎めいた雰囲気で見る者の視線を惹きつけます。一方、山本大貴の「Standing Figure (feat. IKEUCHI Hiroto)」は、アニメやSF、プラモデルなどサブカルの要素を取り入れて、現代的な女性像のあり方を追い求めた一点です。
また絵画は、リアルな描写を駆使して本当はありえない虚構の世界を生み出すこともできます。本章の最後では、無数の水滴が一面に並ぶ様相や人や物の影のみが描かれた絵画など、見る者の意表を突く「ふしぎなリアル」ともいえる作品に注目します。
2章:光のリアル
上田は光の反射や透過を描き出すことに注力していますが、それは、「ものを描く」ことが「ものを照らし出す光のありようを表現する」ことでもあるからです。2章では、現代の様々な作家たちによる光の表現に注目します。
クッションの布地が拡散する柔らかな光、逆光下の鮮烈な陰影、建物に差し込む硬質な光など、光が生み出す効果は千差万別です。クローズアップされた染付磁器とその表面の反射光を描いた伊庭靖子の「Untitled」は、その艶やかな光が見る者の目を捉えて離しません。
3章:上田薫のリアル
展覧会の最終章では、上田薫の作品世界を代表的なシリーズによってたどります。初期の上田は、靴やバラなど静的なモチーフを描いていましたが、スプーンから垂れるアイスクリームを描いた作品を端緒に、流動的なものを描くことに取りかかります。写真を用いてものの一瞬の姿を写しとる上田のスタイルは、この頃に確立しました。その試みは、微細な泡を存在感たっぷりに描く「あわ」シリーズへと展開していきます。
茨城で活動した時期の上田は、北茨城に取材し川の水流を描いた「流れ」シリーズで、初めて屋外にモチーフを求めるなど、制作上の転機も迎えました。その後、上田は「Sky」シリーズで、空の光景というこれまでにない壮大なスケールの対象を描くことに挑戦しました。そして、近年は一転して再び身近なモチーフに目を向け、野菜や果物が目にも鮮やかな「サラダ」シリーズをはじめ意欲作を発表しています。本章では、様々なシリーズを通してものの姿をリアルに表現する上田の作品世界をお楽しみください。
殻から落ちるなま玉子の作品で知られる上田薫(1928~ )と現代の作家たちによる、リアルに描かれた絵画を紹介。
【広報文2】(約80字)
殻から落ちるなま玉子をはじめ、身近なものの姿をリアルに描き出すことで知られる上田薫(1928~ )の仕事を振り返るとともに、現代の作家たちによるリアルな絵画表現を紹介。
【広報文3】(約120字)
上田薫(1928~ )は、殻から落ちるなま玉子やシャボン玉、水の流れといった身近なものの姿をリアルに描き出すことで知られます。本展では上田の仕事を代表的なシリーズによって振り返るとともに、現代の作家による作品を交えてリアルな絵画表現の豊かな世界を紹介します。
開催概要
会期 |
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会場 | 茨城県近代美術館 |
住所 | 310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666-1 Google Map |
時間 |
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休館日 |
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観覧料 |
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TEL | 029-243-5111 |
URL |
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SNS | |
主催 | 茨城県近代美術館 |
後援 | 水戸市/茨城大学/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞社水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局 |
協賛 | 株式会社常陽銀行 |
特別協力 | 名古屋画廊 |
イベント・講演会・グッズ・コラボ情報
会期中のイベント
(1)講演会「リアルの基層と現在」
講師:木下亮氏(昭和女子大学 教授)
日時:11月6日(土)午後2時~午後3時30分
会場:地階講堂
定員:100名(要事前申込、参加無料)
(2)ワークショップ「写真をもとに描く」
講師:田邉光則氏(本展出品作家)
日時:11月27日(土)午前10時~午後3時(昼休憩あり)
会場:地階講座室
対象:一般
定員:20名(要事前申込、要本展チケット〈当日以外も可〉)
参加費:500円
(3)学芸員による鑑賞講座
講師:乾健一(本展担当学芸員)
日時:10月30日(土)午後2時~午後3時30分
会場:地階講堂
定員:100名(要事前申込、参加無料)
(4)令和3年度 第1回ミュージアムコンサート「イヴニングコンサート ―超絶技巧への誘い―」
出演:Voisines Trio(山崎響子〈ヴァイオリン〉、木下通子〈チェロ〉、永田絵里子〈ピアノ〉)
日時:12月12日(日)午後5時45分~午後6時45分
会場:1階エントランスロビー
定員:100名程度(要事前申込、要本展チケット〈当日以外も可〉)
【イベント申込方法】
・来館
美術館総合受付にて申込書を記入。
・往復はがき
往信用文面に希望者全員(1枚につき2名様まで。コンサートのみ1枚につき4枚様まで)の氏名、代表者の住所、電話番号、参加を希望するイベント名、返信用宛名面に代表者の住所と氏名を記入し、当館「上田薫とリアルな絵画 イベント係」まで送付。
・ウェブサイト
当館ウェブサイトのイベントページから参加申込フォームにて申込み。
※定員に達した時点で受付を終了いたします。
※各イベントは日時・内容等が変更になる可能性があります。
※詳細は当館ホームページ(http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp)をご覧ください。
広報用画像一覧
- 上田薫 「なま玉子 B」 1976年、東京都現代美術館蔵
- 上田薫「玉子にスプーン B」1987年、茨城県近代美術館蔵
- 橋爪彩 「Girls Start the Riot」 2010-11年、高橋龍太郎コレクション蔵
- 山本大貴 「Standing Figure (feat. IKEUCHI Hiroto)」 2020年、個人蔵
- 伊庭靖子 「Untitled」 2009年、神奈川県立近代美術館蔵
- 上田薫 「あわ D」 1979年、個人蔵
- 上田薫 「ジェリーにナイフ C」 1989年、日立市郷土博物館蔵
- 上田薫「サラダ E」2014年、個人蔵
会員向けご提供広報用データ
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- 掲載媒体には、読者プレゼント用ご招待チケット5組10名様分をご提供可能
- 画像データの一括ダウンロード
- 茨城県近代美術館の施設(外観・内観)画像も同時ご提供
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