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国吉康雄展 ~安眠を妨げる夢~
福武コレクション・岡山県立美術館のコレクションを中心に

開催期間会期
※掲載申込み受付終了

茨城県近代美術館(茨城県水戸市千波町東久保666-1)にて、「国吉康雄展~安眠を妨げる夢~ 福武コレクション・岡山県立美術館のコレクションを中心に」を2023年10月24日(火)より12月24日(日)まで開催いたします。16歳で単身アメリカに渡り、働きながら絵を学んだ国吉康雄。アジア系移民排斥運動や二つの世界大戦といった激動する時代の中、日本人であることで苦しい立場におかれながらも、やがてアメリカを代表する画家のひとりになりました。本展は国吉の作品約170点、ならびに日米の国吉研究の成果と最新資料でその全貌に迫ります。

国吉康雄《安眠を妨げる夢》 1948年 福武コレクション蔵

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展覧会概要

国吉康雄(1889‐1953)は明治期の岡山に生まれ、16歳で労働移民としてアメリカ西海岸に渡りますが、夜間高校で美術の才能を見出され、ニューヨークに移住し、働きながら美術学校に通います。初期にはアメリカ開拓時代を思わせる幻想的な作品で注目されますが、渡仏と生涯一度の帰国、戦争期を経て、その画風は変化し続けます。それは、国吉が生きたアメリカが、アジア系移民排斥運動、パンデミック、大恐慌、二つの世界大戦、赤狩りといった激動の時代であったことと関係します。国吉は反戦や民主主義へのメッセージを作品に込め、美術家の権利運動の先頭に立ちました。こうした国吉の思想や苦悩が現れた、憂いに満ちた表情の女性や暗喩的な静物、色彩豊かなサーカスの道化などは観る者を魅了し、現在アメリカでは、美術家、社会活動家としての再評価が始まっています。

本展では、油彩・カゼイン画を中心に約170点の国吉作品と、日米の国吉研究と最新資料でその全貌に迫ります。また、坂田一男や小野竹喬など、国吉と同世代の岡山出身の画家の作品も展示し、欧米の美術館で実践される多面的な紹介も試みます。

【広報文①】(約80字)
16歳で単身アメリカに渡り、働きながら絵を学び、やがてアメリカを代表する画家のひとりとなった国吉康雄の多様な作品と生涯を、新たな研究成果等も交えながら紹介します。
【広報文②】(約150字)
16歳で単身アメリカに渡り、働きながら絵を学んだ国吉康雄。アジア系移民排斥運動や二つの世界大戦といった激動する時代の中、日本人であることで苦しい立場におかれながらも、やがてアメリカを代表する画家のひとりになりました。本展は国吉の作品約170点、ならびに日米の国吉研究の成果と最新資料でその全貌に迫ります。

展覧会構成と主な出品作品
序章
1.画家の見た夢 〜 画家の安眠を妨げたものはなにか
《安眠を妨げる夢》1948 / カゼイン / 福武コレクション蔵
2.岡山からアメリカへ ~ 近代化の恩恵とロシアとの戦争の影響
注目展示~ その虚ろな眼差しが見つめた未来
《自画像》1918 / 油彩 / 福武コレクション蔵

第1章 ニューヨークへ
注目展示1 〜 たった3年での画風の劇的な変化
《ピクニック》1919 / 油彩 / 福武コレクション蔵
《二頭の牛》1922 / 油彩 / 茨城県近代美術館蔵
注目展示2 〜 日本初公開の作品
《金鳳花と黄色い花の静物画》1924 / インク / 福武コレクション蔵

トピック①「同郷同世代の在米画家」
ジョン・シンガー・サージェントを継ぐと評された肖像画家・犬飼恭平
展示作品《酔った男》個人蔵(岡山県立美術館寄託作品)

第2章 狂騒と黄金の20年代 ~ パリを経てアメリカと故国
1.欧州探訪。そして、狂騒のパリでの出来事
注目展示 〜 パスキンに促され画風は変化し続ける
《化粧》1927 / 油彩 / 福武コレクション蔵(後に福武コレクションが形成される最初の一枚となった)
《花瓶の花》1930 / 油彩 / 福武コレクション蔵

トピック②「同郷、そして同歳の画家」・キュビズムを示した坂田一男
展示作品《キュビスム的人物像》1920 / 岡山県立美術館蔵

2.クニヨシズム宣言 1931年の帰国
注目展示「凱旋の故郷と決意の街ニューヨーク」
《休んでいるサーカスの女》1930 / 油彩 / 福武コレクション蔵
《日本の張子の虎とがらくた》1932 / 油彩 / 福武コレクション蔵

トピック③「同郷、そして同歳の画家」 日本画の伝統と革新の先駆者・小野竹喬
展示作品《宿雪》1966 / ベネッセホールディングス蔵

第3章 表現を守り、時代の役割を担うために
注目展示「新たな表現の模索」
《バンダナをつけた女》1936 / 油彩 / 福武コレクション蔵
《西瓜》1938 / 油彩 / 福武コレクション蔵
《逆さのテーブルとマスク》1940 / 油彩 / 福武コレクション蔵

第4章 戦争の時代に
注目展示「アメリカに残り、アメリカを描く」
《スケッチブック(第二次世界大戦中の画帳)》1941 / 福武コレクション蔵
《風景 (コロラド)》1941 / グワッシュ / 福武コレクション蔵
《夜明けが来る》1944 / 油彩画 / 岡山県立美術館蔵

第5章 祭りが終わって
注目展示「仮面と色彩、もしくは光と影」
《牛と少女》1946 / グワッシュ / 岡山県立美術館蔵(強制収用された日系人支援のために描かれた)
《祭は終わった》1947 / 油彩 / 岡山県立美術館蔵(「祭は終わったが世界は変わらなかった」という言葉を共に残した)
《クラウン》1948 / 油彩 / 福武コレクション蔵(《牛と少女》と同様)
《鯉のぼり》1950 / 油彩 / 福武コレクション蔵(画中にアメリカ独立記念日が描かれる)
《ミスターエース》1952 / 油彩 / 福武コレクション蔵(国吉最後の油彩画)

終章 今、国吉康雄を知ること
注目展示 国吉康雄の人生と画業と社会情勢のリンクを一望する年表
アメリカの国吉資料「小沢文庫」の公開
国吉講座の研究・顕彰活動について紹介


本展の見どころとポイント
国吉の作品制作時の社会背景も紹介する学問領域を横断する多様な展示構成日本初公開となる初期インク画や、岡山以外での展示は初となる国吉が第二次世界大戦中に使用していた写生用手帳、強制収用された日系人のためのチャリティーに出品された大型作品(203.5×153.5 cmと163.7×250.0cm)を展示監修者による展示解説など、岡山大学国吉康雄記念研究講座が開発してきた多彩な鑑賞、関連プログラムの提供(詳細はイベント情報をご確認ください)日本での国吉研究黎明期にその道筋をつけた小澤義雄・律子夫妻がアメリカで収集した資料集「小沢文庫」を公開映像制作者でもある本展監修者のひとりである岡山大学の才士真司が集めた日米の国吉研究者、国吉の生徒や作品修復、模写の様子を記録した映像記録、証言集を90分のドキュメンタリー作品として限定公開

同時開催
国吉の現在地をより深く知る
2023年10月24日(火)~12月24日(日)
展覧会に加え、1階アートフォーラム展示コーナーでは、本展の監修を務める岡山大学国吉康雄記念研究講座の様々な活動や、福武コレクションを活動の原点とする瀬戸内海で展開される「ベネッセアートサイト直島」などの展示を通して、国吉康雄と現代社会の関わり方について紹介。

開催概要

会期
2023年10月24日(火)〜2023年12月24日(日)
会場 茨城県近代美術館
住所 310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666-1 Google Map
時間
9:30〜17:00(最終入場時間 16:30)
休館日
月曜日 ※ただし茨城県民の日:11月13日(月)は開館
入場料
一般1,000(870)円/満70歳以上500(430)円/高大生730(610)円/小中生370(240)円
※( )内は20名以上の団体料金  
※11月13日(月)県民の日はすべての方が入場無料 
※障害者手帳等をご持参の方は無料 
※土曜日は高校生以下は無料
TEL 029-243-5111
URL
【茨城県近代美術館 公式サイト】
https://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/
URL2
【展覧会特設ホームページ】
https://yasuo-kuniyoshi-pj.com/yasuokuniyoshi2023.html
SNS
主催 茨城県近代美術館
共催 公益財団法人 福武財団
企画協力 ヤマト運輸株式会社
企画協力・監修 国立大学法人岡山大学学術研究院教育学域 国吉康雄記念・美術研究と地域創生講座
協力 岡山県立美術館/株式会社ベネッセホールディングス/岡山大学文明動態学研究所/同 学術研究院教育学域赤木里香子研究室/同 5DLab./一般社団法人クニヨシパートナーズ/一般社団法人日米芸術振興協会
後援 水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/NHK水戸放送局/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞社水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局/LuckyFM茨城放送
※本展は、茨城県近代美術館、公益財団法人 福武財団、ヤマト運輸株式会社、岡山大学国吉康雄記念研究講座の協働による、産官学の文化・教育事業として企画されました。
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会期中のイベント

講演会等(いずれも当館地階講堂にて 定員250名 申込不要 参加無料)
① 講演会「アメリカでの国吉康雄の現在地」
講師:伊藤駿(本展監修 / 岡山大学特任助教)
鼎談:「国吉研究の第一人者・小澤律子さんを囲む」
登壇者 : 小澤律子(国吉康雄研究家) / 西郷南海子(博士(教育学)・日本学術振興会特別研究員PD) / 伊藤駿
日時:11月11日(土) 午後1時~午後3時

② 講演会「国吉康雄の作品における色彩変化と描画材」
講師:笠原浩美(筑波大学博士特別研究員・美術家)
講演会「明治の美術教育は国吉の画業にどう影響したか」
講師:赤木里香子(岡山大学教授)
鼎談:「国吉康雄の用いた画法を俯瞰する」
登壇者 : 赤木里香子 / 笠原浩美 / 伊藤駿
日時:11月25日(土) 午後1時~午後3時

③ 映像ドキュメンタリー上映
「描かれた永遠の現在地 〜 何が国吉康雄の安眠を妨げるのか」2023年 / 90分
日時:12月23日(土)午前11時〜 / 午後1時~
本展監修者の才士真司(本作監督/岡山大学特任准教授)と伊藤駿が取材した国吉康雄の最新研究を日米の研究者が語る、国吉康雄を探求する映像作品を初公開(午後1:00からの回終了後、本展監修者によるトークあり)

ワークショップ
②③は自由参加、申込受付午後2時30分まで。参加者多数の場合は、お待ちいただく場合があります。いずれも地階講座室にて。参加無料
①「国吉さんが好んだカゼイン絵の具で描いてみる」
日時:11月26日(日) 午前10時~午後0 時/会場:地階講座室
定員:10名(要事前申込[Webのみ]、参加無料、対象:一般)
※申し込み多数の場合抽選、10月20日(金)まで申込受付

②「墨で模写する・国吉も受けた明治期の美術教育を再現する」
日時:11月26日(日) 午後1時~午後3時

③「お面・額装作りワークショップ」 
日時:11月12日(日) 午後1時~午後3時、11月13日(月) 午後1時~午後3時
※すべてのワークショップにおいて、国立大学法人岡山大学学術研究院教育学域 国吉康雄記念・美術研究と地域創生講座を中心とする方々が講師をつとめます。

本展監修者とみる新たな探求と発見ツアー(いずれも企画展示室にて、申込不要。要企画展チケット)
講師:才士真司、伊藤駿
① 10月24日(火) 午前11時~ / 午後2時〜
② 11月12日(日) 午前11時~ / 午後2時〜
③ 12月24日(日) 午前11時~ / 午後2時〜

広報用画像一覧

  • 画像説明国吉康雄《安眠を妨げる夢》 1948年 福武コレクション蔵
  • 画像説明国吉康雄《鶏小屋》 1921年 福武コレクション蔵 
  • 画像説明国吉康雄《化粧》 1927年 福武コレクション蔵
  • 画像説明国吉康雄《バンダナをつけた女》 1936年 福武コレクション蔵
  • 画像説明国吉康雄《もの思う女》1935年 福武コレクション蔵
  • 画像説明国吉康雄《祭りは終わった》 1947年 岡山県立美術館蔵
  • 画像説明国吉康雄《逆さのテーブルとマスク》 1940年 福武コレクション蔵
  • 画像説明国吉康雄《ミスターエース》 1952年 福武コレクション蔵
  • 画像説明国吉康雄《鯉のぼり》 1950年 福武コレクション蔵
  • 画像説明
  • 画像説明

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