
プレスリリース
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マン・レイのオブジェ
日々是好物|いとしきものたち
DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631)は、「マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち」を2022年10月8日(日)より2023年1月15日(日)まで開催いたします。本展では、マン・レイ(1890–1976)が「我が愛しのオブジェ」と称したオブジェ作品に注目し、国内所蔵のオブジェ約50点を軸として、関連作品や資料など約150点をご紹介します。
《破壊されざるオブジェ》1923/75年
メトロノーム、写真 11.5×11.5×22.2 cm 東京富士美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928
©︎東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
この展覧会の広報用データのお申込みは
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展覧会概要
マン・レイ(Man Ray, 1890–1976)は20世紀にアメリカとパリで活躍した芸術家で、絵画をはじめ写真、オブジェ、映画など多岐にわたる作品を手掛けました。本展は、作家が活動の後期より「我が愛しのオブジェ」と称したオブジェ作品に注目し、展観します。パリに憧れたユダヤ系アメリカ人として言葉の壁に当たり大戦に翻弄されながらも、多くの芸術家や愛する人との出会いと別れを繰り返し生きたマン・レイ。彼が生涯にわたり自由に制作したオブジェは、ものや言葉の詩的な組み合わせで成り立ちます。独自の手法で同じ主題のオブジェを再制作したことも特筆すべき点で、ここには「芸術作品のオリジナリティ」という大きな問いに対するひとつの提案が含まれています。本展では、国内所蔵のオブジェおよそ50点を軸として、関連する作品や資料を合わせた約150点をご紹介します。
※会期中に展示替えがあります(前期 10/8-11/20、後期 11/22-1/15)
みどころ
① マン・レイの展覧会の中でもオブジェに特化した展覧会は国内初。《破壊されざるオブジェ》、《贈り物》、《ニューヨーク 17》などの代表作を含む、約50点のオブジェを展覧します。② ストックホルム近代美術館の協力を得て、マン・レイが「我が愛しのオブジェ」と題して約30点のオブジェを取り上げた、手書きのアルバムの内容を本邦初公開します。全ページ日本語字幕とともにスライドショーにて紹介します。
③ マン・レイは同じ主題のオブジェを繰り返し制作しましたが、オリジナルと同じ姿のものを量産せず、意図的な差異をつけました。今回はメトロノーム作品4点、アイロン作品3点、さらに写真とオブジェなど、同モティーフを複数展示することで、ヴァリエーションの対比ができる機会とします。
展覧会の副題について
日々是好物|いとしきものたち言葉遊びはマン・レイのオブジェ制作の重要な手法です。今回は禅の用語である「日々是好日」をもじった「日々是好”物”(もの、オブジェ)」という造語を充てることで言葉遊びの手法のオマージュとしました。アイデアが浮かんだ瞬間に日用品や言葉を組み合わせて作品となったマン・レイのオブジェは、関係のないもの同士を出会わせて違和感をもたらすシュルレアリスムの「デペイズマン」の切り口で説明されることが多いものの、マン・レイの視点と構成の仕方はむしろ「見立て」や「取合せ」といった茶道の粋な遊びに近いのではないでしょうか。また、マン・レイのアトリエは常にオブジェで溢れており、それらは彼の日常にある「愛しいもの」だったと言えるでしょう。
展示構成
1章 アメリカのマン・レイ(1890–1921)マン・レイは1890年、アメリカのフィラデルフィアで生まれました。高校卒業後に両親の反対を押し切り画家を志し、初期はキュビスムに傾倒した絵画を描きます。最初の結婚や、レディ・メイドを手掛けたフランス出身の芸術家マルセル・デュシャンとの出会いを通して世界を広げる中で、前衛的なオブジェの制作も始めます。1915年のダニエル画廊における初めての個展の際には、自身の作品を記録するために写真を撮り始め、思わぬ才能が開花しました。この章では、マン・レイ最初期の油彩や実験的な絵画作品、オブジェ、写真などを紹介します。
2章 パリのマン・レイ(1921–1940)
マン・レイは1921年、憧れの地であるパリへと渡り、デュシャンの仲立ちでダダイスト、シュルレアリストのグループと出会います。卓越した写真技術が名刺代わりとなり人脈が広がり、パリの街と時代を謳歌します。同時代の芸術家との交友やキキ、リー・ミラー、アディとの恋も、生活と作品に影響を与えました。この章では、パリにおける初めての個展の折に制作した、アイロンに鋲を一列に取り付けたオブジェである《贈り物》、カメラもレンズも使わずに「もの」の像をそのまま映し出した写真である「レイヨグラフ」、単なる記録を超えた象徴的でオブジェのような写真、1920年代に取り組んだ「動く写真」である映画、《破壊するべきオブジェ》から名前を変奏させ生涯繰り返し制作していくメトロノームに瞳の写真を付したオブジェなど、1920–30年代のパリの空気をまとった作品を紹介します。
3章 オブジェの展開(1940–1976)
第2次世界大戦の戦禍を免れ、1940年、50歳になる年にマン・レイはアメリカに戻りました。最後の結婚相手となるジュリエットと「美しい牢獄」と呼んだハリウッドで生活を立て直し、パリに置いてきた作品たちを取り戻すかのように、自ら撮影した写真をもとに過去の作品の再制作にも励みます。1951年に再度パリに移ってからも創作意欲は衰えず、遊び心とウィットに溢れたオブジェを多く生み出しました。
また、オブジェの再制作(レプリカ制作)に盛んに取り組む時期でもあります。「創造するのは神聖な行為、複製するのは人間的な行為」として作品が生まれるアイデアを重視したマン・レイは、ときに数千個にもおよぶ作品の再制作を厭いませんでした。再制作の際、オリジナルの再現でとどめずにそれぞれ個性を与えたヴァリエーションで増殖したことも特徴です。生涯を通して認められたいと切望した絵画、高く評価されながらも「写真は芸術でない」と突き放した写真と比べ、「我が愛しのオブジェ」と総称されたオブジェからは、マン・レイの純粋で軽やかな制作の楽しみを感じることができます。
- マン・レイの自画像
-「我が愛しのオブジェ」とエフェメラ
- ポスター
章構成から離れた3つのトピックから成る「マン・レイのオブジェ」をより深く知るためのセクションです。マン・レイは活動の初期から自身と向き合い自画像を制作してきました。その形式は写真によるセルフ・ポートレイトだけでなく、オブジェや自伝など多様です。さらに、マン・レイが50代から繰り返し使用した「我が愛しのオブジェ」という言葉が記されたエフェメラ(チラシなどの資料類)や、世界各地で開催された展覧会のポスターを展示することで、マン・レイのオブジェの発表の軌跡を多角的に示します。
開催概要
展覧会名 | マン・レイのオブジェ |
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会期 |
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会場 | DIC川村記念美術館 |
住所 | 285-8505 千葉県佐倉市坂戸631 Google Map |
時間 |
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休館日 |
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入館料 |
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
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主催 | DIC株式会社 |
後援 | 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会 |
会期中のイベント
※詳細と申し込み方法は公式サイトでお知らせします。
※新型コロナウイルスの感染状況により、やむを得ず記載内容を変更する場合があります。
■講演会
木水千里氏(美学・美術史、早稲田大学助教)
10月29日(土)13:30-15:00
要予約|入館料のみ
■学芸員によるギャラリートーク
毎月第3土曜日11:30より学芸員が本展の作品解説をいたします。
要予約|入館料のみ
■定時ガイドツアー
毎日14:00より当館ガイドスタッフがコレクション展示を含めた館内の展示をご案内します。
要予約|入館料のみ
■ミュージアムコンサート
高橋アキ(ピアノ)「エリック・サティ マン・レイに寄せて」
12月3日(土)17:45開場 18:00開演
要予約
同時開催|会期中のコレクション展示
コレクションHighlight
ジョゼフ・コーネル ―新収蔵品を迎えて―
会期:2022年9月13日(火)~2023年1月15日(日)
会場:110室
DIC川村記念美術館は、このたびジョゼフ・コーネル(1903–1972 )のコラージュ1点を新たに収蔵しました。これを機に、当館のコーネル作品全17点をコレクションHighlightとして公開します。通常はコレクション展示の会期ごとに数点ずつ展示しているコーネル作品をまとめてご覧いただける機会です。企画展と合わせ、ぜひコレクション展示もお楽しみください。
広報用画像一覧
《破壊されざるオブジェ》1923/75年
メトロノーム、写真 11.5×11.5×22.2 cm 東京富士美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928
©︎東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom《ニューヨーク 17》1917/66年
鉄、万力 45.0×24.0×24.0 cm DIC川村記念美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928《贈り物》1921/74年
アイロン、鋲 16.5×10.0×10.0 cm 個人蔵
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928《ミスター・ナイフとミス・フォーク》1944年
木、ネット、ナイフ、フォーク、ビロード 34.3×24.1×4.4 cm 東京富士美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928
©︎東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom《アストロラーベ(天体観測器)》1957年考案(1964年までに再制作)
木製の台座、真鍮、銅、彩色されたスティール、拡大鏡 高さ67.5 cm 石橋財団アーティゾン美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928《ブルー・ブレッド》1958年
青く塗られたフランスパン、鉄の秤 バゲット全長73 cm 島根県立美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928《セルフ・ポートレイト/ソラリゼーション》1932/77年
ゼラチン・シルバー・プリント 30.0×21.7 cm 東京富士美術館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G2928
©︎東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
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