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薬師寺の婁正綱 ― 遊山翫水
Lou Zhenggang at Yakushiji
薬師寺東院堂(国宝)
薬師寺東院堂(奈良県奈良市西ノ京町457)にて、「薬師寺の婁正綱(ろうせいこう) ― 遊山翫水(ゆさんがんすい)」を2025年4月24日(木)より5月11日(日)まで開催いたします。1998(平成10)年に、「古都奈良の文化財」の構成資産の1つとして、ユネスコの世界遺産に登録された法相宗大本山 薬師寺東院堂(国宝)にて、書画家 婁正綱(ろうせいこう)の屏風作品をお披露目します。日本最古の禅堂として知られる薬師寺東院堂にて、国宝である白鳳時代の聖観世音菩薩像や、重要文化財である鎌倉時代の四天王立像などの見事な仏像と婁正綱の屏風作品との共演をご堪能ください。
万象 八曲創作箔 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×600cm
作家蔵
展覧会概要
1998(平成10)年に、「古都奈良の文化財」の構成資産の1つとして、ユネスコの世界遺産に登録された法相宗大本山 薬師寺 東院堂(国宝)にて、書画家 婁正綱(ろうせいこう)の個展「薬師寺の婁正綱 ー 遊山翫水(ゆさんがんすい)」が、2025年4月24月(木)から5月11月(日)まで開催されます。
婁正綱(ろうせいこう)は、中国・黒竜江省の生まれ。幼い頃から父親に書画を学び、1970年代の幼少期には中国書画界で突出した存在となって活動を続けました。1986年に来日して東京を拠点として書画家として活動。1993年から2000年にかけてはニューヨークを活動の場とした後、再び来日し、現在は伊豆を活動の拠点として制作を続けています。
絵とは何か、何をすべきかについて熟慮を続け、激変する現代美術の有りようを目の当たりにして、婁は伝統のみに拘泥せず、何ものにも惑わされず自らの内から沸き出でる美的価値の表出を志しています。
遊山翫水(ゆさんがんすい)―婁の制作は、しばしば自らの画室を囲む山や海などの美しい自然の景色に触発されています。このたびは2015年に屏風に描かれた3点の作品を、国宝薬師寺東院堂で公開いたします。
薬師寺と屏風について 文・婁正綱
東院堂を訪れたのは、2023年12月のことになりますが、その静謐な空間が放つ時間の重なり、石畳に響く足音の余韻、壁に滲む気配が、今なお私の記憶の奥深くに息づいています。あの場所に佇んだとき、私は空間そのものが持つ「余白」の力に心を奪われました。その余白は、単なる空虚ではなく、時を超えて積み重ねられたものたちが醸し出す気配であり、目には見えぬ豊かさでした。
今回出品する屏風の作品には、あのとき東院堂で感じた「静けさのなかにある力」を宿していると思います。それは、光と影が交差する刹那、余白が語るもの、風が運ぶ言葉なき記憶といったかたちで反映されています。屏風は、空間に溶け込みながらも、見る者の呼吸に合わせてゆっくりと表情を変えてゆく存在です。まるで東院堂の壁が時間を吸い込みながら、静かに語りかけてくるように。
今回の展示作品はそれぞれ異なる個性を持っていますが、それはひとつの流れの中にある、異なる波のようなものに過ぎません。たとえば、ある作品には風の動きを、またある作品には水の気配を込めています。しかし、それらは決して固定された形ではなく、見る者の心の状態や、その場の空気によって変化してゆくものだと考えています。
制作のきっかけとなったのは、日々のなかでふと目にした風景や、音のない時間の感触、あるいは無意識のうちに心に残ったものたちです。2015年、当時芦ノ湖を望む元箱根のアトリエで制作をしていた頃、私は自然の気配に包まれながら、刻一刻と変わる光の移ろいを見つめていました。霧がたちのぼる朝の静寂、午後の木漏れ日、夜の深い藍色がもたらす静けさ。そのすべてが私の手の動きに影響を与えていたと思います。
屏風に描くことは、カンヴァスに描くこととはまったく異なります。それは「開くこと」と「閉じること」を同時に意識しなければならない行為です。屏風はただの絵画ではなく、空間に寄り添い、時間とともに存在するもの。だからこそ、筆の動きも、絵具の重なりも、紙の呼吸も、すべてが空間の流れのなかにあるべきだと考えました。画材の選択においては、紙の質感が光をどう受け止めるか、墨の濃淡がどのように響き合うかを改めて探求し、細部に至るまで試行を重ねました。
私の作品のなかで、今回の屏風は「時間と空間の間」を映し出すものとして位置付けられるかもしれません。瞬間を切り取るのではなく、そこに漂う気配を描く。見る人がその前に立ったとき、絵の向こうにある「時間」を感じ取ってもらえたら、それが私の願いです。

婁正綱(ろうせいこう)
書画家。中国、日本、米国などで27回の個展と3回の巡回展を開催し成功をおさめています。弛まぬ自己鍛錬、表現力の高い材料の探求と類まれな書画技術、独特の美学的見解と深い人文的素養により、「生命と愛」「日月同輝」「心」「和合」「生生」「自然」などのシリーズ作品を発表。
近年は伊豆にアトリエを構え、抽象絵画「Untitled」シリーズを発表するなど、新しい絵画芸術の世界を展開。2023年に東京・アーティゾン美術館で開催された「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」に同シリーズの出展を果たし、クリスティーズなどの世界的なオークション会社のプライベートセールでも取引されるなど、書や絵画の枠を超えた独自の芸術性が高く評価されています。
婁正綱(ろうせいこう / Lou Zhenggang)公式サイト

薬師寺の仏堂である東院堂は、奈良時代に建立されましたがお堂が焼失し、鎌倉時代(1285年)に再建された和様建築の建物で、日本最古の禅堂として国宝に指定されています。また、堂内の白鳳時代の仏像、聖観世音菩薩像も国宝であり、四天王立像(鎌倉時代)は、重要文化財に指定されています。
薬師寺 東院堂【国宝】公式サイト
開催概要
会期 |
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会場 | 薬師寺東院堂(国宝) |
住所 | 630-8042 奈良県奈良市西ノ京町457 Google Map |
時間 |
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観覧料 |
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URL |
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URL2 |
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SNS | |
主催 | 一般社団法人日本躾の会 |
共催 | 法相宗大本山薬師寺、婁正綱スタジオ(LZG Studio) |
後援 | 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、外務省、国際交流基金、奈良県、中国大使館 |
協力 | Gallery L / Awata Collection |
広報用画像一覧
万象 八曲創作箔 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×600cm
作家蔵万象 八曲創作箔 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×600cm
作家蔵万象 八曲創作箔 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×600cm
作家蔵万象 八曲創作箔 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×600cm
作家蔵万象 六曲銀箔市松 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 234cm×720cm
個人蔵万象 六曲銀箔市松 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 234cm×720cm
個人蔵万象 八曲緑紙+灰紙 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×800cm
Awata Collection万象 八曲緑紙+灰紙 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×800cm
Awata Collection万象 八曲緑紙+灰紙 婁正綱
Wan Xiang 2015 Folded screen 194cm×800cm
Awata Collection薬師寺 東院堂(国宝) 鎌倉時代
婁正綱( Lou Zhenggang / ろうせいこう)
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