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生誕130年 没後60年を越えて
須田国太郎の芸術――三つのまなざし
須田国太郎(1891-1961)は、「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマを追求し、骨太で生命感あふれる独自の油彩表現を切り拓いた画家です。本展では、油彩の代表作に加え、戦前の滞欧期に撮影した貴重な写真、また、能・狂言への造詣の深さを示すデッサン、そして、長年にわたって蒐集した「グリコのおもちゃ」のコレクションといった、意外な人物像を伝える資料も交え、須田国太郎の新たな魅力を紹介します。須田国太郎は2021年に生誕130年、没後60年を迎えました。これを記念し、全国5会場で開催する本展は、昨年より愛知、大分、兵庫、広島と巡回し、世田谷美術館がいよいよ最終会場となります。
須田国太郎 《鵜》1952年 京都国立近代美術館蔵
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展覧会概要
画家・須田国太郎(1891-1961)は、「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマを掲げ、日本の精神文化に根差した油彩画の在り方を追求しました。
京都に生まれた須田は、京都帝国大学(現・京都大学)および同大学院で美学・美術史を専攻する一方、関西美術院で油彩の基礎を学びます。
1919年に28歳で渡欧。スペインのマドリードを拠点にヨーロッパの各地を訪れ、ヴェネツィア派の色彩理論やバロック絵画の明暗法など、西洋絵画の底流にあるリアリズムの表現に触れます。この滞欧は須田の制作に大きな影響を与え、須田は自らが会得した理論を背景とした、骨太で生命感あふれる独自の油彩表現を切り拓いていきます。
1932年に41歳で初個展を開催。これが契機となり、里見勝蔵や川口軌外の誘いで独立美術協会の会員となると、同会を中心に意欲的な作品を次々に発表しました。また、向井潤吉をはじめとする世田谷ゆかりの作家たちとも交流しました。
本展では、初期から晩年までの油彩の代表作に加え、戦前の滞欧期に撮影した貴重な写真、また、能・狂言への造詣の深さを示すデッサン、そして、長年にわたって蒐集した「グリコのおもちゃ」のコレクションといった、意外な人物像を伝える資料も交え、須田国太郎の新たな魅力を紹介します。
須田国太郎は2021年に生誕130年、没後60年を迎えました。これを記念し、全国5会場で開催する本展は、昨年より愛知(碧南市藤井達吉現代美術館)、大分(大分市美術館)、兵庫(西宮市大谷記念美術館)、広島(三之瀬御本陣芸術文化館/蘭島閣美術館)と巡回し、世田谷美術館がいよいよ最終会場となります。
京都に生まれる。京都帝国大学(現・京都大学)および同大学院で美学・美術史を学ぶ。1919年から23年にかけて、スペインのマドリードを拠点に滞欧。西洋絵画の真髄を理解すべく、プラド美術館での模写を通じてヴェネツィア派の色彩理論やバロック絵画の明暗法を学ぶ。1932年、東京銀座の資生堂ギャラリーで初個展を開催。1934年、独立美術協会会員となる。晩年まで、独立展などに出品し制作に励む一方、現・京都市立芸術大学などで後進の育成にも尽くした。美学・美術史家として研究を深め、絵画理論と実践の融合、そして日本独自の油彩画を求め、生涯にわたって制作を重ねた。
展示構成
第一章 画業の歩み
初期から絶筆までの代表的な作品約30点で構成し、須田国太郎の創作活動の展開を紹介します。
第二章 旅でのまなざし
ヨーロッパ留学中に撮影した写真約40点と関連する油彩画作品で構成。旅行中に使用したカメラ、イーゼル、絵具箱、鞄なども展示。
第三章 幽玄へのまなざし
須田が幼少時から親しんだ能・狂言への造詣の深さを示すデッサン約50点と関連する油彩・水彩作品で構成。須田が画面に残した手と視点の軌跡を追います。
第四章 真理へのまなざし
須田の代表的な「黒の絵画」と呼ばれる作品群を核とした油彩作品で構成。あわせて、学術的な真理の追究としての著作物や、須田が造形とデザイン性に注目して蒐集した「グリコのおもちゃ」も紹介します。
展覧会の見どころ
1. 約10年ぶりとなる大規模な須田国太郎展
2021年は須田国太郎の生誕130年、没後60年にあたる年でした。これを記念し、本展では油彩の代表作のほか、過去の回顧展で大々的に紹介されてこなかった貴重な関連資料など約410点を集め、その魅力をあらためて紹介します。当館での開催は、全国5会場巡回の最終会場となります。どうぞお見逃しなく!
2. 旅でのまなざし:須田国太郎の旅と写真を紹介します!
須田国太郎は、生涯で数多くの旅に出かけました。なかでも1919年から23年にかけてのスペインを中心とするヨーロッパ滞在は、その後の須田の制作に大きな影響を与えました。須田は、旅先の建築物や遺跡、風物など数多くの写真を撮影しています。本展では、これまで広く知られていなかった貴重な写真資料から約40点を紹介します。あわせて、愛用のカメラや旅行に携えたスーツケースなども展示。須田の旅をより身近に感じていただけます。
3. 幽玄へのまなざし:須田国太郎の能・狂言への関心に迫ります!
10代の頃から謡曲を習い、能や狂言への造詣が深かった須田は、6000枚を超えるともいわれる多くの能のデッサンを描きました。これらは実際に能の鑑賞中に描かれたもので、舞台上の役者の姿が鉛筆の素早い筆致で捉えられています。本展では須田が手がけた能のデッサン約50点を紹介します。画家の線をつうじて観る能の世界を、ぜひ体感してみてください。
4. 真理へのまなざし:須田国太郎の代表作と著作を紹介します!
須田国太郎は絵画制作と学術研究、その両面から「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマを追求しました。本展では代表作の《犬》(1950年、東京国立近代美術館蔵)などにみられる独特の黒色を基調とした油彩表現を一堂に紹介。あわせて、須田の著作を紹介します。深い学識のもと描かれた須田国太郎の絵画の迫力に、ぜひ触れていただけたらと思います。
5. 須田国太郎の意外な一面「グリコのおもちゃ」をご紹介します!
「膝を崩して座る姿を見たことがない」と近しい人々が述べるほど真面目な人柄が知られる須田国太郎ですが、「グリコのおもちゃ」を熱心に蒐集していたという意外な一面もあります。本展では、須田がその造形的な発想や工夫に魅了されたという「グリコのおもちゃ」のコレクション700余点から約220点をまとまったかたちで展示し、須田国太郎の新たな魅力を紹介します。
開催概要
会期 |
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会場 | 世田谷美術館 |
住所 | 157-0075 東京都世田谷区砧公園1-2 Google Map |
時間 |
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休館日 |
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観覧料 |
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TEL | 050-5541-8600 |
URL |
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SNS | |
主催 | 世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団) |
共催 | 公益財団法人きょうと視覚文化振興財団 |
後援 | 世田谷区、世田谷区教育委員会 |
協力 | 京都国立近代美術館、東京国立近代美術館、京都市美術館 |
関連企画
レクチャー1「須田国太郎の画業をめぐって」
日時:8月11日(日) 午後2時~3時30分(開場午後1時30分)
会場:講堂
講師:橋秀文氏(目黒区美術館館長)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後1時より美術館エントランスにて整理券を配布
※手話通訳付き
レクチャー2「須田国太郎の訪れたスペイン」
日時:8月24日(土) 午後2時~3時30分(開場午後1時30分)
会場:講堂
講師:山道佳子氏(慶應義塾大学文学部教授)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後1時より美術館エントランスにて整理券を配布
※手話通訳付き
レクチャー3「須田国太郎が描いた能の世界」
日時:9月1日(日) 午後2時~3時30分(開場午後1時30分)
会場:講堂
講師:長山桂三氏(観世流能楽師 重要無形文化財総合指定保持者)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後1時より美術館エントランスにて整理券を配布
※手話通訳付き
担当学芸員による展覧会解説
日時:8月18日(日)午後2時~3時30分(開場午後1時30分) 講堂
講師:池㞍豪介(本展担当学芸員)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後1時より美術館エントランスにて整理券を配布
※手話通訳付き
スペシャル・ライブ『Punto de vista――見つめた先へ』
日時:8月31日(土)午後4時~午後5時15分(午後3時30分開場)
会場:講堂
出演:閑喜弦介(guitar)、徳永真一郎(guitar)、Guest: 神田智子(vocal)
定員:先着110名
料金:全席指定 2,000円(税込)
発売日:2024年7月17日(水)午前10時~
取扱い:
◉世田谷パブリックシアターチケットセンター|Tel 03-5432-1515
(電話・窓口 午前10時~午後7時、発売初日は電話・オンラインチケットのみ)
◉世田谷パブリックシアターオンラインチケット https://setagaya-pt.jp/membership/online/
(要事前登録・24時間受付)
[車いすスペースのご案内]
定員有・要予約。定員になり次第、締切らせていただきます。
料金:1,800円(付添者は1名まで無料)
申込:世田谷パブリックシアターチケットセンター|Tel 03-5432-1515
■お問い合わせ
◉チケットに関するお問合せ:世田谷パブリックシアターチケットセンター|Tel 03-5432-1515
◉公演に関するお問合せ:公益財団法人せたがや文化財団 音楽事業部|Tel 03-5432-1535(平日午前10時~午後6時)
主催:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷美術館、音楽事業部
100円ワークショップ
小さなお子様から大人の方まで楽しめる工作。
日時:7月の毎土曜日、8月の毎金・土曜日 午後1時~3時
会場:地下創作室
料金:1回100円
※予約不要、随時受付
※入室は一度に30人まで
同時開催展
ミュージアム コレクションⅠ
アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治
2024年7月20日(土)~10月14日(月・祝) 2階展示室
※同時開催の企画展チケットであわせてご覧いただけます。
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00120
本展では、近年収蔵した大貫卓也(1958-)と花森安治(1911-1978)が手掛けたポスターやグラフィック関連資料を中心にご紹介します。
大貫卓也は、広告業界のトップランナーとして活躍する世田谷在住のアートディレクター。広告の常識をくつがえす「としまえん」の仕事で若くして注目され、その後の広告のあり方を変えました。
花森安治は、これまでにも雑誌『暮しの手帖』の表紙画やカット画をテーマに紹介してきましたが、同誌の交通広告や新聞広告などについては今回が初めてとなります。
チームを率いて広告の可能性をとことん追求する大貫卓也。デザインからイラストまですべてをこなす花森安治。一見異なるようで共通するふたりのコミュニケーションの考え方、広告表現からその魅力を探ります。
※チラシ画像・展示風景画像以外の広報用画像をご希望の方は広報お問い合わせ先までご連絡ください。
「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」チラシ表
「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」チラシ表
広報用画像一覧
須田国太郎 《鵜》1952年 京都国立近代美術館蔵
須田国太郎 《アーヴィラ》1920年 京都国立近代美術館蔵
須田国太郎 《発掘》1930年 京都大学人文科学研究所蔵
須田国太郎 《野宮》1945年頃 個人蔵
須田国太郎 《犬》1950年 東京国立近代美術館蔵
須田国太郎 《窪八幡》1955年 東京国立近代美術館蔵
須田国太郎 《マドリ市中にて(スペイン・マドリード)》1919-23年頃 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 《コインブラ大聖堂(ポルトガル・コインブラ)》1920年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 《ドス・アグアス伯爵邸(スペイン・バレンシア)》1922年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 《サン・ファン・デ・ロス・レイエス教会(スペイン・トレド)》1922年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 「野宮」デッサン 1941年 大阪大学大学院人文学研究科・大阪大学附属総合図書館蔵
須田国太郎 「新作能・忠霊」デッサン 1941年 大阪大学大学院人文学研究科・大阪大学附属総合図書館蔵
須田国太郎 「小原御幸(大原御幸)」デッサン 1942年 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎 グリコのおもちゃコレクション「のりもの(飛行機・電車・車・船)」 1950年代 三之瀬御本陣芸術文化館蔵
須田国太郎ポートレート アトリエにて 1954年1月 撮影:田中真知郎(須田家提供)
「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」チラシ表
※こちらは、同時開催展(ミュージアム コレクションⅠ)の広報用画像(チラシビジュアル)となります。「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」チラシ裏
※こちらは、同時開催展(ミュージアム コレクションⅠ)の広報用画像(チラシビジュアル)となります。「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」展示風景
撮影:岡村陽織
※こちらは、同時開催展(ミュージアム コレクションⅠ)の広報用画像(展示風景)となります。「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」展示風景
撮影:岡村陽織
※こちらは、同時開催展(ミュージアム コレクションⅠ)の広報用画像(展示風景)となります。「ミュージアム コレクションⅠ アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治」展示風景
撮影:岡村陽織
※こちらは、同時開催展(ミュージアム コレクションⅠ)の広報用画像(展示風景)となります。
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